ウェブマーケティングでコンバージョン率と投資利益率を高めるために、経営者の方々が判断しなければならないこと(経営者以外には判断できないこと)という観点から、LPO (Landing Page Optimization)を考えてみました。
LOP (Landing Page Optimization)とは
検索結果などから最初に到達するページのことを「着地点ページ」、「ランディングページ」と呼びます。
訪問者が最初に閲覧するページを最適化することでそのページを検索結果上位表示させ、注文・問合せなどへと誘導しようというのが、LOP (Landing Page Optimization/着地点ページの最適化)の考え方です。
ここで注意しなければならないのは、LPOは何か特別なものということではなく、ウェブサイト全体を適切にSEOした結果として必然的に達成されるものだということです。
キーワード狙いでコンテンツを書くのではなく、各ページのコンテンツを充実させコンテンツに関連したキーワードを重要語として設定するという本来あるべき姿でSEOを実施していくと、自然と各ページの訴求点やコミュニケーションポイントがはっきりとしてきます。
その結果、トップ以外のページも検索エンジンに適切にインデックスされ、キーワード検索での上位表示されます。サイトを構成する全てのページがランディングページとなるわけです。
インターネットマーケティングの目的、つまり、ホームページを集客に利用する目的は、注文や問合せの率を最大限に増やすことと、投資利益率を最高にすることの2点に他なりません。
ビジネスが成功するか否かがかかっているこの大きな目的を達成するためには、狭義のLPOに囚われず、より広い視野に立って戦略的にLPOを判断しなければなりません。
LOPの判断レベル
Landing Page Optimizationの判断には、いくつかのレベルがあります。
1.要素レベルのLPO
個別のページ内でキャッチコピーやテキスト要素、画像要素など細かな要素が全て最適化されているかどうかという観点でLPOを判断するレベル。単一ページの最適化が重要であることは間違いありませんが、経営者がウェブ戦略を判断する際には、この点はそれほど重要ではありません。ウェブマーケティングの知識がある制作担当者に任せておいて問題ないレベルのものです。
2.ページレベルのLPO
一般的にLPOと呼ばれているレベルの最適化です。ページ内の全ての要素の組み合わせが適切であるか、ユーザーフレンドリーなレイアウトかどうかを判断するレベル。特定のページのパフォーマンスの善し悪しに大きな影響を与えるレベルのLPOで、適切なLPOを実施することで、オンラインマーケティングの目に見えるえる結果を達成できます。自分が訪問者だと想定した場合に分かりやすく、使いやすいページかどうかを確認するのが良いです。
3.導線レベルのLPO
検索結果やクリック広告、またはメール本文からのリンクをたどってやってきた訪問者の期待感を損なわず、自然な流れで ランディングページから2ページめ、3ページめと読み進んでもらうことができるよう、導線を最適化することもLPOの一部と考えるべきです。このレベルでのLPOの判断が、注文・問合せなどのコンバージョン率に影響し、競合他社より一歩先を行くことができるか否かの分かれ目になると考えてもよいでしょう。
4.キャンペーンレベルのLPO
伝えるべきメッセージ、特別オファーの内容、販促活動の対象者などキャンペーンの内容に、ウェブサイトの「要素」、「ページ」、 「経路」を最も適切に一致させているかどうかを判断するのがキャンペーンレベルでのLPOです。個別キャンペーンごとに得た情報をより上位のマーケティング戦略に反映させていくことが重要です。キャンペーンレベルのLPOは、売上にも目に見える結果を出すことができるものです。
5.戦略レベルのLPO
マーケティング戦略の全体を最も良い状態でウェブキャンペーンに落とし込んでいるかどうかを判断するのが、戦略レベルでのLPOを判断するということでしす。ページやページ内要素の最適化のような具体性はありませんが、個別キャンペーンからのフィードバックを取りまとめてチューンアップしたマーケティング戦略を、新たなキャンペーン、そしてそれを構成するウェブページやページ内要素に的確に反映 していくための経営判断がこのレベルのLPO判断となります。
経営者(サイトオーナー)が考えるべきこと
SEOに端を発し、SEM、LPOと検索結果上位表示のテクニックに関する情報が氾濫しています。
検索結果上位表示のアルゴリズムが公開されておらず、しかも検索エンジンスパム排除など利便性向上のために検索エンジンは改良され続けています。コンテンツの質がサイトを評価する重要な判断基準の一つとなっており、この傾向が今後一層顕著になって行くことは明らかです。
ホームページを取り巻く環境の変化が止まることはありません。
これらの観点から、要素レベルのLPO、ページレベルのLPOは信頼できるSEOコンサルタントに任せ、経営者(サイトオーナー)は戦略レベルのLPO、キャンペーンレベルのLPOに集中的に考えるべきです。
まずは、自社がウェブマーケティングで達成すべき目標が何であるかを明確化すること。
その目標を達成するために、「誰に」「何を」伝えなければならないかを判断することです。
目先のSEOゲームに走らず、なぜSEOが必要なのか、なぜLPOなのか、本質を見失わないことが重要です。
有能なSEOコンサルタントは、サイトオーナー=経営者の目標を達成するための最良の検索エンジン最適化案を提案してくれるはずです。しかし、どれ程有能なSEOコンサルタントであっても、あなたに代わってビジネスの経営者判断を下すことはできません。
経営者の経営戦略と、専門性が高く信頼できるSEOコンサルタントのパートナーシップで5つのレベルのLPOの良好な循環系を構築していくことが、コンバージョン率や投資利益率を最高にするという目標を達成するための最短の近道なのです。
2010/08/10