日本語ドメイン(メリットとデメリット)

日本語ドメインのメリットデメリットについて、まとめてみます。
取得前の諸条件検討や取得後の運用にお役立てください。

背景

日本語ドメインとは、従来ドメイン名に使われているアルファベット、数字、ハイフンに加え、漢字やひらがな、アラビア文字などの文字を使えるようにする国際化ドメイン名の一つです。
2000年「日本語.com」が、2001年「日本語.jp」が導入されました。

仕組み

日本語ドメインを含む国際化ドメイン名は現在のDNS構造を壊さないために一定の法則で英数字からなるドメイン名に変換されて運用されています。アドレスバーに表示されるのは日本語ドメインですが、インターネットのネットワーク上では日本語ドメインのままではなく、1バイトのURLになっているという事です。
[日本語ドメイン名]⇒NAMEPREPによる正規化⇒Punycodeによる変換⇒[1バイトURL]

メリット

見慣れた文字なので、見やすい・伝えやすい・覚えやすい。

デメリット

メールアドレスが使えない(ホームページアドレスとしては使えます。)
日本語ドメインに対応していないブラウザが存在する
日本語ドメイン非対応のレンタルサーバーがある
ポータルサイトやディレクトリ登録、リスティングなどSEO、SEM的に利用したいサービスに登録できない場合がある

運用例

キリンビバレッジ 生茶

雑誌広告などで[生茶.jp]というアドレスを掲載するキャンペーンが2004年展開されました。
http://生茶.jpにアクセスすると、http://www.beverage.co.jp/product/ocha/nama.htmlに転送されるという仕組みです。
コメント:
伝えやすさ、覚えやすさを最大限に利用しているので、インターネット以外からの集客/アクセスに大きく寄与したはずだと思います。

駅街ガイド.JP

(株)日本レジストリサービスが日本語ドメインの普及を目的として提供しているサイトです。
http://駅街ガイド.jpにアクセスすると、サイトのトップページが表示されます。
例えば、http://新宿駅.jp/にアクセスすると、新宿駅を起点とした「食べる」「泊る」「遊ぶ」「観る」などのカテゴリ分けされたホームページを閲覧する事ができます。
コメント:
駅名ドットジェイピーという入力方法を知っていれば、便利かもしれません。駅街ガイドなので、http://新宿駅.jp/なら表示されますがhttp://新宿.jp/では接続できません。認知が低いと閲覧者に混乱を引き起こす可能性も否定できません。

まとめ

紹介した運用例のように、戦略的な導入には効果が期待できると思います。
しかし、日本語ドメインは導入から10年たちますが技術的な障壁がまだ多く残っており、十分に普及しているとは言えません。
日本語ドメインでの運用にあたっては、DNS設定やWebサーバ設定を工夫する必要がありますので、まずはサーバ管理者に相談し詳細打ち合わせをすることをお勧めします。

2010/01/14